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目次

  • はじめに:「AI使ってみたいけど、実際どうなの?」という声
  • AIへの期待が膨らみすぎていた頃の話
  • 「AIを入れれば解決する」という幻想
  • 学んだこと:AIは魔法ではない
  • 生成AIが変えたこと、変えなかったこと
  • ChatGPTを業務に取り入れてみて
  • でも、過信は禁物
  • 実務でAIを使うときに意識していること
  • 1. 「何を解決したいか」を先に明確にする
  • 2. 小さく試して、早めに見切りをつける
  • 3. 人間の関与をどこに残すか考える
  • 正直、まだ試行錯誤中のこと
  • AIの評価は難しい
  • 技術の進化が速すぎる
  • おわりに:AIとの付き合い方は、まだ誰も正解を知らない
AIを業務で使い始めて気づいた、期待と現実のあいだのこと

AIを業務で使い始めて気づいた、期待と現実のあいだのこと

生成AIChatGPT業務効率化AI導入エンジニア向け
木下 銀次郎/AIについて/2026年1月27日/5

はじめに:「AI使ってみたいけど、実際どうなの?」という声

最近、社内外を問わず「AIを業務に取り入れたいんだけど、実際どうですか?」と聞かれることが増えました。

ChatGPTをはじめとする生成AIが話題になり、「これを使えば何でもできそう」という期待と、「本当に仕事で使えるの?」という不安が入り混じっている——そんな空気を感じます。

私自身、この数年間、機械学習や生成AIをプロダクトに組み込む仕事をしてきました。うまくいったこともあれば、「思ったほどじゃなかったな」と感じたことも正直あります。

今日は、そのあたりの話を、できるだけ率直に書いてみようと思います。


AIへの期待が膨らみすぎていた頃の話

「AIを入れれば解決する」という幻想

数年前、あるプロジェクトで「この業務、AIで自動化できませんか?」という相談を受けました。

内容を聞くと、人が目視で確認している作業を、画像認識で置き換えたいというものでした。一見、AIが得意そうな領域です。

私も最初は「いけそうだな」と思いました。でも、実際に取り組んでみると、想像以上に難しかった。

何が難しかったかというと、判断基準が曖昧だったんです。

人間が「なんとなくこれはOK、これはNG」と判断しているものを、AIに教えようとすると、「なんとなく」の部分を言語化しないといけない。でも、現場の人に聞いても「うーん、経験でわかるんですよね」となる。

これは機械学習の世界では「ラベリングの問題」と呼ばれるものに近いのですが、要はAIに教えるためのお手本データを作ること自体が、ものすごく大変だったわけです。

結局、そのプロジェクトは当初の想定より時間がかかり、期待していた精度には届きませんでした。

学んだこと:AIは魔法ではない

この経験から学んだのは、AIは「人間がうまく説明できないこと」を勝手に理解してくれるわけではないということです。

むしろ逆で、AIを使おうとすると、業務の曖昧な部分が浮き彫りになる。「そもそもこの判断って、何を基準にしてるんだっけ?」という問いに向き合わされる。

これは面倒なことでもありますが、見方を変えれば、業務を見直すきっかけになるとも言えます。


生成AIが変えたこと、変えなかったこと

ChatGPTを業務に取り入れてみて

2023年あたりから、生成AI——特にChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)を業務で使う機会が増えました。

LLMというのは、大量のテキストデータを学習して、人間のような文章を生成できるAIのことです。

私のチームでは、主にこんな場面で使っています。

  • ドキュメントの下書き作成
  • コードレビューの補助
  • 調査・リサーチの効率化
  • アイデア出しの壁打ち相手

正直なところ、これらの用途では、かなり役立っているという実感があります。

特に「ゼロから書き始める」ときの心理的ハードルが下がったのは大きい。たたき台があると、そこから修正していけばいいので、手が止まりにくくなりました。

でも、過信は禁物

一方で、生成AIの出力をそのまま信じると痛い目を見ることも経験しました。

あるとき、技術的な調査をChatGPTに手伝ってもらったのですが、返ってきた情報の一部が古かったり、微妙に間違っていたりしたんです。

「それっぽい文章」を生成するのは得意でも、事実かどうかを保証してくれるわけではない。これは今の生成AIの構造的な限界だと思っています。

なので、私は「生成AIは優秀なインターン」くらいの距離感で付き合っています。手伝ってもらうけど、最終チェックは自分でやる。そういう感じです。


実務でAIを使うときに意識していること

1. 「何を解決したいか」を先に明確にする

「AIを使いたい」が目的になってしまうと、だいたいうまくいきません。

「この業務のこの部分が大変だから、ここを楽にしたい」という課題が先にあって、その解決手段としてAIが適切かどうかを考える。この順番が大事だと思っています。

2. 小さく試して、早めに見切りをつける

AIプロジェクトは、やってみないとわからないことが多いです。

だから、最初から大きな計画を立てるよりも、小さく試して、うまくいきそうかどうかを早めに判断するほうがいい。

「これは思ったより難しそうだ」と気づいたら、撤退するのも立派な判断です。私も何度か「これは今の技術では難しい」と判断して、別のアプローチに切り替えたことがあります。

3. 人間の関与をどこに残すか考える

完全自動化を目指すよりも、人間とAIの役割分担を考えるほうが、現実的にはうまくいくことが多いです。

たとえば、AIが候補を出して、人間が最終判断する。AIが下書きを作って、人間が修正する。こういう「人間が最後に関わる」設計にしておくと、AIの間違いをカバーできますし、現場の納得感も得やすい。


正直、まだ試行錯誤中のこと

AIの評価は難しい

「このAI、どれくらい役に立っているのか」を定量的に測るのは、実は結構難しいです。

作業時間が減った、ミスが減った、といった指標で測れる場合もありますが、「アイデア出しが楽になった」みたいな定性的な効果は、数字にしにくい。

このあたりは、私もまだ試行錯誤しています。チームメンバーに「実際どう?」とヒアリングしながら、感覚的に把握しているのが正直なところです。

技術の進化が速すぎる

生成AIの世界は、本当に変化が速い。半年前の常識が、今は通用しないこともあります。

「これが正解」と言い切れないまま走っている部分も多くて、正直なところ、私自身も追いつくのに必死です。

だからこそ、流行に飛びつきすぎず、でも完全に無視もせず、ちょうどいい距離感を探っているというのが、今の私のスタンスです。


おわりに:AIとの付き合い方は、まだ誰も正解を知らない

ここまで読んでいただいて、「結局、AIってどうなの?」という疑問に対する明確な答えがなかったかもしれません。

でも、それが正直な実感なんです。

AIは確かに便利だし、うまく使えば業務を楽にしてくれる。でも、万能ではないし、使いこなすにはそれなりの試行錯誤が必要。

私が言えるのは、**「まずは小さく試してみて、自分なりの距離感を見つけていくしかない」**ということくらいです。

今なら、数年前の自分に「もっと早く手を動かして試せばよかったね」と言うかもしれません。逆に「あのとき慎重に判断してよかった」と思うこともある。

あなたの現場で、AIがどう役立つかは、あなた自身が試してみないとわからない。この記事が、その一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

何か気になることがあれば、ぜひ小さなところから始めてみてください。

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